趣味の書道・京都・写真をつれづれなるままに
2014年07月16日 (水) | 編集 |
IMG_1052.jpg

私と同じ高校美術部、後輩・中川貴文君の作品集「Dear World(ディア ワールド)」を買った。
後輩と言っても、歳がかけ離れていて一面識もない。
ただ、作品だけは知っている。

会ってみたいと思うが、出来ない。
2008年4月、21歳の若さで旅立った。
京都市立芸大日本画専攻の学生だった。

中川君の才能を最初に評価したのは、先日紹介した絵本作家の田島征彦さんだ。
亡くなってからではあるが、中川君の作品を目にしてご両親に個展をすすめたという。

2008年12月、私は初めて中川君の作品に触れた。
彼の同級生たちが追悼のために地元で開いた「中川貴文展」だった。

「技術的にはまだかな」と思ったが、秘められた非凡さを感じた。
開花を待っている、荒っ削りで力強い才能だ。

今回の作品集になり、当時も展示されていた「Dear World」は、
5人の少年少女が、川や海、雪の中で遊ぶ様子を描いた連作だ。
ハガキサイズに水彩などで描かれている。

まず眼を見張ったのは、子ども達が元気に跳び回っていたことだ。
19歳の若さで、これはなかなか描けないと思った。
色彩も美しい。色のトーンが統一されていて、破綻がない。
鑑賞者を心地よくする配色だ。

高校時代の作品でも、構図がしっかりしていて空間を感じた。
上から見下ろす俯瞰の構図でも描いていた。
高校生で視点を自由に変えられるのも凄いことだ。
作品から「若さ」そのものが溢れ出ていた。

IMG_1055.jpg

あれから6年。
先日、書棚から「第27回敦賀市総合美術展表彰式」(2007年)の式次第が出てきた。
私の書道での入賞記念に残しておいたものだ。

「懐かしいなぁ」と見入っていたら、
日本画部門の「敦賀市議会議長賞」受賞者に「中川貴文」の名前を見つけた。

私は式次第を手にして突っ立ったまま、表彰式当日の記憶をたぐり寄せようとした。
会場の様子、来賓の顔、受付、審査員、手がかりになれば何でもいい。
手当たり次第に思い出そうとする。
でも、何も思い出せなかった。

7年前、私たちは同じ会場にいた。
彼は、私のすぐそばにいたのだ。

中川君はどんな大学生だったのだろう。
将来の夢は何だったのか。
生きていたら、今どんな絵を描いただろう。

出版から少し時間がたってしまったが、手に出来た作品集。
じっくり見せてもらう。


「Dear World 中川貴文」(本体1,600円+税)
玲風書房 http://www.reifu.co.jp/
〒165-0026 東京都中野区新井2-30-11 
TEL : 03-5343-2315 FAX : 03-5343-2316

<中川貴文web美術館GON> http://deargon.blog.fc2.com/




http://syogyomjoan.blog.fc2.com/blog-entry-154.html
スポンサーサイト